作者:林スターダスト
- 小学生と保育園の女子2人の父親
- 元料理人で、『スターダスト』を名前に付けたけど、デビッド・ボーイはあんま好きじゃない(※イギリスの詩人ディラン・トマスから名前を取ったアメリカを代表するシンガーソングライター『ボブ・ディラン』の名前の一部を拝領したイギリスのグロムロックバンド『T・REX』のフロントマン、『マーク・ボラン』が好き!!)
- 好きな芸能人が『深田恭子』と『綾瀬はるか』、なぜか『剛力彩芽』の話になると好戦的になる
将軍、徳川家康とその側室、お梶の方にこんなエピソードがある。
ある日のこと、家康は家臣の大久保忠世や本多正信、そして鳥居元忠、平岩親吉らと過去の戦について談話をしていた。
話題はもっぱらそれぞれの武功であったが、そのうちに家康がふと、こんなことを口にしたのである。
『うまい食べ物はたくさんあるが、およそこの世で一番うまいものがあるとすれば、それはいったい何であろうか?』
家臣らは口々にうまいと思うもの述べていったが、皆、思い思いのものを挙げるばかりで話は一向にまとまらなかった。
そこで家康が傍らに控えていたお梶の方に尋ねてみると
『塩でございましょう』
と彼女は答えた。
『塩がなければ、いかなる料理も味は整わず、おいしくはならないでしょう』
家康は「なるほど」と唸り、さらにこう尋ねた
『ではもっともまずいものとはいったい何であろうか』
『それも塩でございましょう』
と彼女は答えた。
『いかなる美味なものでも、塩味が過分であれば、とても食べられません』
これを聞いた家康はひどく感心して「ひゃ~、おめぇ男だったら、どえれぇ大将になっただろうに、オラすっごく残念だぞ」的なことを言ったそうだ。
この話は史実とも創作とも言われ様々な示唆を含んでいる。
お梶の方の聡明さ、彼女に対する家康の寵愛、そして『塩はうまい』ということだ。
今回はそんな「塩」が主役の料理を作っていきたいと思う。
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塩料理代表!!豚バラ肉の塩釜焼き!!
塩と言えばコイツ、コイツと言えば塩、レペゼン塩料理の塩釜焼きである。
塩釜焼きとは?
塩釜焼きと言えば鯛を用いたお祝い料理のイメージが強いけれど、起源を調べたところやはり鯛を使った贈り物が発祥なのだそうだ。
なんでも豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、玄界灘で獲れた鯛を食べ
『これはうまい、ぜひ国のオカンにも食べさせねば!!』
と届けさせたのが始まりなのだそうだ。
因みに玄界灘は福岡の北西部にある海で、秀吉の母がその時いたのは大阪なので、なかなかの距離である。
命令を受けた家臣たちは、
「いかに鯛を傷めることなく大阪に届けるか?」と知恵を絞り、ついに塩で包み運ぶことを思い付いたのであった(BGM:地上の星 中島みゆき)
というのが一般的な通説だそうだ。
ただ、紀元前から作られている生ハムや燻製の工程に塩漬けは含まれており【塩=長期保存に効果がある】というのは当時も周知の事実であったのではないかと思う(ましてや秀吉の時代は16世紀である)
秀吉の無理難題に応えるため、家臣らは長期保存に耐えうる塩釜焼きを採用しただけで、調理法としては以前から存在していたのではないかと個人的には思うのだが、どうだろうか。
肉料理としての塩釜焼き
そんな訳で当初は保存を目的として作られた塩釜焼きだけれども、味の面でも普通に焼くよりも優れたところがある。
塩で包み込むことにより旨味を閉じ込め、遠赤効果で芯まで素早く火を通すことが出来るのだ。その為、魚はもちろんスパイス、ハーブを使った肉料理としてもおいしい。
豚バラ肉の塩釜焼きの作り方
使用する肉はある程度の大きさの塊肉なら何でもいいので、今回は一般的な豚バラ肉を使いたいと思う。
では具材が決まったところで早速レシピから紹介していきたい。
材料
- 豚バラ肉 500g
- ブラックペッパー 適量
- オレガノ 小さじ1
- タイム 小さじ1
- ローズマリー 小さじ1
- 塩 500g
- 卵白 卵1個分
POINTは2つ
- 肉は形の揃った物を選ぶ
- スパイス・ハーブは多めに使う
作り方手順
①豚バラ肉をフォークなどで全体をまんべんなく刺す
豚バラ肉をまな板の上に置き、フォークなどで全体をまんべんなく刺すことで塩分などの味付けが均一に行き渡ります。
②ハーブをかけて揉み込む
ハーブ4種類【ブラックペッパー】、【オレガノ】、【タイム】、【ローズマリー】をかけて揉み込む!!
ハーブは全てあらかじめ混ぜておくと、全体へ均一にまぶせる
③(事前準備)オーブンを210度で予熱
時間がかかるのでこの辺で予熱しておく
家で作る場合は、オーブンを210度で予熱
オーブンの性能によっては、もっと先か、後でもいい
④ボウルに塩を入れて卵白を投入する
ボウルに500gの塩
卵白1個を投入
ボウルに塩を入れて卵白を投入する
容量は500gの塩に卵白1個分を使用(※黄味は使用しない)
【おまけ】 黄味を使う予定がないなら「めんつゆ」に漬けておく
漬けておけば翌朝においしく食べられる!!
もちろん、炊きたての熱々ごはんにかける
⑤塩と卵白をよく混ぜる
混ぜる前
混ぜた後
塩と卵白を触感が変わるまでよく混ぜていきます
混ぜ続けると、あるポイントで不思議なくらい触感が変わる!!
メレンゲみたいなさわり心地になればOK
⑥クッキングシートを敷き、塩で土台を作る
耐熱皿にクッキングシートを敷き、塩で土台を作っていきます
お肉のサイズよりも若干大きめの土台にするのがポイント!
⑦肉を載せて残りの塩で包み込む
オーブンの予熱が終わったら土台に肉を載せて残りの塩で包み込む
POINT塩で包んでから時間がかかると塩辛くなっちゃうので、オーブンの予熱終わってから包む
⑧オーブンに投入して15分間焼く
210度のオーブンに投入して約15分間焼いていく
しばし待つ……、暇なので出来る範囲で片付けをする
⑨焼き上がり後、10分ほど置いて粗熱をとる
写真では分かりづらいけれど外はカッチカチ
オーブンから取り出して、10分ほど放置プレイして粗熱をとる
⑩塩釜を割り、中身を取り出す
粗熱がとれたら塩釜を割り、中身を取り出す
割った瞬間からいい匂いがする!!
断面はこんな感じ・・・・とても柔らかくジューシー!!
遠赤外線効果なのか、本当に柔らか・・・
⑪切って盛り付け
食べやすいサイズに切って盛り付けて豚バラ肉塩釜焼きの完成!!
彩りを考えて人参を添えてみた
まとめ 〜アレンジ次第でアウトドアでも作れる!!豚バラ塩釜焼き!!〜
塩釜焼きはやっぱり割る瞬間が華。誰かと一緒に食べるのであれば、ぜひ目の前で割ってから楽しみたい。
使用するスパイス、ハーブはお好みで、今回使った物の中ではローズマリーがおすすめ。とても品の良い香りがする。
塩で包み込むことにより旨味を閉じ込め、遠赤効果で芯まで素早く火を通す塩釜焼きで焼き上げた豚バラは柔らかくてジューシー!!
アウトドアで作る場合は火加減が難しいけれど、料理すればきっと盛り上がるはず。
アウトドアでもダッチオーブンなどで作っている人が沢山!!
時間をかけ過ぎると塩辛くなってしまい失敗することがあるみたい
僕はダッチオーブンで作っていないが、温度・時間を工夫する必要がありそう・・・
お気に入りの肉を使って、ぜひチャレンジしてみてほしい。おすすめだ。